『早春、まだ木々が黒々と眠りについている時にかすみがかかったように点々と黄色い花を見ることがある。これがマンサクの花なのです。春が来ると一番に「まず咲く」から名が来たともいわれている。』上野哲郎著「九重花便り」より

コロナ禍でも春は来るのです。

3月13日（日曜）　九重に春の訪れを告げる野焼きが飯田高原一帯で行われました。毎年この時期に予定はされるのですが雪が残ったり雨が降ったりと中々計画通りにいかないことが多いのです。これ程早く野焼きが出来たことは珍しく暫くすると一面黒色の高原が緑色に覆われまさに春本番となります。

去る12月24日、画家で絵本作家の安野光雅先生（享年94歳）がお亡くなりになりました。旅館とかを営んでいると思いもよらず文化人にお会いすることがあります。美術全般が好きな私は80年頃『安曇野』を買って以来安野氏のファンでした。「由布院に泊まって少し足を延ばした。」と言って当館に宿泊されましたが、気が付いた従業員が声をかけると「余りない名前だしこう見えても結構有名なのでホテルに迷惑がかからない様歓迎版は外して下さい。」と言われました。当時は大きな歓迎版があったのです。翌日はホテル正面の三俣山を長い時間スケッチされていました。ご冥福をお祈りいたします。

九重山の紅葉も11月に入ると終盤となり、現在は標高1300ｍ～1000ｍ付近の高原が見頃を迎えています。こらからは長者原、男池、大吊橋、九酔渓と見頃を迎え11月下旬まで楽しめます。写真はいずれも長者原・泉水橋付近の紅葉。2020年11月01撮影

有田の陶芸家・中尾恭純、純先生（中仙窯）から今年の日本陶芸展の図録が送られて来ました。純さんが日本工芸会新人賞を受賞した記念に配布されたそうです。父親の恭純先生は昔、井上萬二門下で若手三羽ガラスと呼ばれた程の優等生で今や有田を代表する陶芸作家ですが、長男の純さんも萬二先生の窯で30歳まで修行して中仙窯に戻りました。轆轤は上手い、削りも上手い、センスも新しい・・有田の白磁を背負ってたつ日もやがて来るのではと思っています。作品は日本陶芸展福岡会場（2021年2/3～2/8　福岡三越）にで是非ご覧下さい。研ぎ澄まされたそのセンスに感動しますよ。