大分県は和牛飼育が盛んでその歴史と実績には輝かしいものがあります。古くは1921年(大正10年)の全国品評会で『千代山』号が最優秀賞を獲得し『牛は豊後が日本一』の幟とともに銀座をパレードしました。丁度その頃は和牛として標準が確立された時期に当たり、まさに日本一に相応しい出来事でした。

先般、仙台市で行われた第11回全国和牛能力共進会(5年に一度開催される通称・和牛五輪、全共)の種牛の部においても内閣総理大臣賞を獲得。実はこの全共には9部門があり各部門に1位があるわけですが、更にその中から種牛の部と肉牛の部から真のチャンピョンにあたる内閣総理大臣賞が与えられるのです。その種牛の部が大分県で、肉牛の部が宮崎県、そして全9部門中4部門を制し団体賞(総合優勝)に輝いたのが鹿児島県なのです。したがって今回の全共で『和牛日本一』を掲げられるのは鹿児島県・宮崎県・大分県だけなのです!!!

 写真は読売新聞から

いやいや、やっぱり日本一は神戸牛や松坂牛、米沢牛でしょ?九州だって伊万里牛の方が有名でしょ? 和牛には繁殖と肥育があって生後8~10ヶ月でセリに出て、その後肥育農家で20ヶ月程度育てられて市場に出ます。その肥育地域がその牛のブランド名になります。ですから生まれが大分で育ちが佐賀だと佐賀牛なのです。(但馬牛は定義が厳しくて生まれも育ちも兵庫県で父親も兵庫産でないとNG、更にそのエリートが神戸牛です。)でも肉の味は素牛の資質で決まると言います。これからは豊後牛の時代なのです。