『山の日』の制定(2016年の8月11日施行)を祝して当地の歌として親しまれている『坊がつる讃歌』の歌碑を建立する発起人会に参加してきました。1年早い2015年8月を目標に準備中です。
歌碑建立
『坊がつる讃歌』の由来
松本征夫、草野一人、梅木秀徳の三氏が1952年坊がつるのあせび小屋で梅木氏の知る『広島高師 山男の歌』を基歌にして替え歌として作ったモノが『坊がつる賛歌』で、その1番、3番、4番、8番をピックアップした曲が『坊がつる讃歌』として芹洋子さんが歌ったモノです。
『坊がつる賛歌』の歌詞
1 人みな花に酔う時も 残雪恋し山に入り 涙を流す山男 雪解の水に春を知る
2 石楠花谷の三俣山 花を散らしつ藪分けて 湯沢に下る山男 メランコリーを知るや君
3 ミヤマキリシマ咲き誇る 山はピンクに大船の 段原彷徨う山男 花の情を知る者ぞ
4 四面山なる坊がつる 夏はキャプの火を囲み 夜空を仰ぐ山男 無我を悟はこの時ぞ
5 深山紅葉に初時雨 暮雨滝の水音を 佇み聞くは山男 もののあわれを知る頃ぞ
6 町の乙女ら思いつつ 尾根の処女雪蹴立てては 久住に立つや山男 浩然の気は云いがたし
7 白銀の峰思いつつ 今宵湯宿に身を寄せて 闘志に燃ゆる山男 夢に久住の雪を蹴る
8 出湯の窓に夜霧来て せせれぎに寝る山宿に 一夜を憩う山男 星を仰ぎて明日を待つ
9 三俣の尾根に霧飛びて 平治に厚き雲は来ぬ 峰を仰ぎて山男 今草原の草に伏す
  (梅木秀徳著『九重山博物誌』より抜粋)
こちらが原曲の広島高等師範学校(現・広島大学) 山岳部第一歌の歌詞
(通称『広島高師 山男の歌』)作詞:神尾 明正 作曲:武山 信治
1 同じ山への憧れを 胸に抱いて行く道は 教えの道ぞ山男 広島高師の山男
2 人皆花に酔うときも 残雪恋いて山に入り 涙を流す山男 雪解の水に春を知る
3 広島の山は低くとも 夏は故郷の山が待つ 岩をよずれば山男 無我を悟はこのときぞ
4 深山紅葉に肩時雨 テント濡らして暮れてゆく 心なき身ぞ山男 ものの哀れを知るころぞ
5 街の乙女ら想いつつ 尾根の処女雪蹴立てては シュテムボーゲン山男 浩然の気は止み難し
6 同じ教えの道を行く まぶたに浮かぶ山の道 道は一つぞ山男 広島高師の山男
広島高師より日田高校に赴任した葱花勲氏が山岳部の生徒だった梅木秀徳氏に教えた歌で、しっかりと伝わっているのがわかりますね。1番と6番が広島高師山岳部歌としての序節と終節で、2~5番の詩を基に九重の四季と地名を織り込んで作ったのが『坊がつる賛歌』です。ですので『坊がつる讃歌』は作詞:神尾明正 補詩:松本征夫 作曲:竹山仙史(武山信治氏のペンネーム)となっており、また詩が一部異なっています。