今日は食材・豊後牛の話です。
近くの飯田公民館に今年10月下旬に長崎で行われた全国和牛能力共進会(5年毎に行われる“和牛オリンピック”)の祝勝横断幕がありました。大分県は総合3位で、1位宮崎(2連覇です!)2位鹿児島、4位長崎そして種牛の部のグランドチャンピオンも宮崎、肉牛の部が長崎と上位を九州勢が独占しました。
黒毛和牛は繁殖者が子牛を産ませ9カ月程で子牛市場に出します。その子牛を肥育者が20カ月程育てた後に出荷し、その肥育地がブランド名となります。但馬牛の様に生まれも育ちも“但馬”と云う基準は例外で、大分の場合は佐賀で育てられて“佐賀牛・伊万里牛”となるのが一般的でした。肥育技術もさることながら肉質は血統から来るので、全国的に優れた生産地はそのまま子牛を育ててブランド化を図る様になりました。それが豊後牛であり宮崎牛なのです。
共進会2012
豊後牛の郷・玖珠郡(玖珠、九重)
これは容易に想像がつくと思いますが、豊後牛=玖珠、九重と云っても過言でない程で、既に大正10年(1921)には九重産の『千代山号』が全国品評会でグランドチャンピオンを獲得、昭和58年(1983)に玖珠で産まれた『糸福号』はスーパー種牛として豊後牛のブランド化の礎となっています。第8回共進会の肉牛の部グランドチャンピオンの『寿恵福号』も玖珠産、等々豊後牛=玖珠牛なのです。
糸福号
スーパー雄種牛の『糸福号』  玖珠町の新長野交差点には記念像が建っています。
黒毛和種と云っても純粋な日本固有種ではなく明治時代、古くから牛(役用)の飼育が盛んだった岡山、鳥取、兵庫等の和牛に欧州系肉牛を交配して肉質改善を図ったものです。豊後牛のルーツも鳥取系と但馬系、岡山系からなっていて、現在も但馬系を積極的に導入し肉質改善に努めている様です。
ぜひ豊後牛の故郷・九重で豊後牛をご賞味下さい。