2010.04.24桐山
古楽演奏界を牽引するバロック・ヴァイオリニスト・桐山 建志氏を迎えて第19回あじさいコンサートが開催されました。
桐山氏のバロック・ヴァイオリンのもつその柔らかく、ビロードにも似た艶のある音色は、聴衆者の心を解放しそして同時に穏やかな愛情で包み込む様でバロック音楽の神髄に触れたコンサートとなりました。
確かに現代ヴァイオリンの持つ音の強弱感や立ち上がりの早さ、聴衆に与える鮮烈なインパクトはバロック・ヴァイオリンにはありませんが、その音色の表現する喜び、愛情、哀愁、繊細さ、陰影感は楽器のモデルとなった人の歌う声を感じさせるものでした。
バッハの無伴奏ソナタとパルティータでは特にそうした表現力と桐山氏のテクニックがいかんなく発揮された素晴らしい演奏でした。
最後はバロック音楽の清々しさから一転し、聴視者も加わって4人のヴァイオリン演奏による「坊がつる讃歌」で九重の春を感じながら楽しく終わりました。
主催者の我ままをすべて聴き入れて頂いた桐山氏の寛容な心に感謝です。